9月25日の「この差って何ですか?」で、昔と今の健康常識の差が紹介。
昔は常識とされてきた医療や健康法のなかには、研究が進んだことで大きく変化したものがたくさんある。
ストレス、風邪、傷、耳、食事、歯に関する昔と今の健康常識の差が紹介されたが、その中から気になるものをチェックしておこう。
カルシウムとイライラは無関係
ストレスに関して教えてくれたのは、東京通信大学の植田美津恵先生。
昔はイライラしたときはカルシウムを摂るとよいとされていたが、カルシウムとイライラは無関係。
たしかに、血液中のカルシウムが脳に運ばれると、脳の興奮を抑えるという作用はある。
しかし、そもそも血液中のカルシウムが不足すると、骨のカルシウムから補給される。
血液中のカルシウムが不足するような状態は、まずありえない。
もし、本当に血液中のカルシウムが不足したら、肌がボロボロになったり、痙攣状態に陥って、イライラでは済まない。
風邪のときは無理に食べないほうがよい
風邪に関する昔と今の健康常識の差を教えてくれたのは、東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身先生。
昔は風邪をひいたときは食事を摂らないと元気になれないといわれたが、今の常識では無理に食べないほうがよい。
昔は、体力を蓄えるために食事を摂ったほうが早く治ると思われていた。
しかし、最近の研究で、風邪で食欲がなくなるのは脳が指令をだしてあえて食欲を抑えている、ということがわかってきた。
消化のために免疫細胞を増やせなくなる
風邪をひくと、脳は胃や腸などの臓器にウイルスを退治する免疫細胞を増やすよう指令を出す。
すると、胃や腸などの臓器はそれまでの活動をやめて、免疫細胞を増やすことを最優先にする。
こうして、風邪は治っていく。
しかし、風邪をひいたときに食事をとってしまうと、消化活動などのために免疫細胞を増やせなくなってしまい、その結果風邪の治りが遅くなる。
何もたべなくても、ウイルスがいなくなれば、自然と体力も回復し食欲も自然に戻る。
水分の補給だけはちゃんとする必要がある。
歯に関する健康常識の差
歯に関する健康常識の差を教えてくれたのは、天野歯科医院の天野聖志院長。
歯みがきは食後30分してから
昔は食べたらすぐに歯磨きをするのがよいとされていたが、これは間違いという。
食べてすぐの口のなかは酸性状態で、歯の表面に細かく虫歯ができるが、唾液が口のなかを中和して、それ以上虫歯が進行するのを防いでくれる。
さらに、唾液に含まれるカルシウムなどが、歯の表面にできたこまかくできた穴を埋める働きがある。
食事すぐに歯磨きをしてしまうと、唾液が虫歯を修復する働きを妨害してしまう。
酸性状態が中和されて元の状態に戻る、食後30分以上経ってから歯磨きしたほうが良い。
歯みがきのあと、口はあまりゆすがない
歯みがきのあとに、口をゆすぎすぎるのはよくない。
歯磨き粉には、歯をコーティングして虫歯から守ってくれるフッ素が含まれているが、口をゆすぎすぎるとフッ素を洗い流してしまう。
口をゆすぐのは1回で十分。
歯磨き粉の味が残ったほうがよい。
歯を磨くときは歯ブラシを濡らさない
泡立ちが良すぎると、ちょっと磨いただけで磨いたつもりになってしまう。
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