7月4日の「ガッテン!」は、唾液について。
1日に出る唾液の量は、およそ1.5リットル。
おいしく食事ができたり、たのしくおしゃべりできたりするのも、唾液が絶えず口の中を潤してくれているから。
ところが、大事な唾液の状態が気づかない間に変化し、体に不調をきたしている人が多い。
料理の味付けが物足りない、口臭が気になる、かぜやインフルエンザになりやすいと感じる人は唾液の変化が原因かも。
唾液の状態が悪化してしまう意外なメカニズムや、最新の治療法などが紹介された。
再石灰化
唾液は歯を再石灰化させることで、初期の虫歯であれば十分に修復することができる。
緊張するとなぜ口が乾く?
緊張などのストレスで、唾液の量はどれだけ変化するのか?
唾液には抗菌、傷の修復、歯の修復、消化などを助ける成分が含まれているが、ストレスがかかるとこれらの要素の密度を濃くして自分を助けようとするために唾液の量が減るのだという。
動物にとって唾液は、天然の傷薬。成分が濃いほうが、傷を治すのに良い。
そのため、天敵に出会うなどストレスを受けたときは、唾液の成分を一時的に濃く強化して、傷に備える。
人間も進化の名残で、緊張などのストレスで、唾液が減ると言われている。
唾液にまつわるトラブル
普通、唾液の量は緊張やストレスで減っても一時的なものだが、ストレスの原因が取り除かれても唾液の量が元に戻らない人がいる。
唾液が濃くなって機能がアップしても、口全体に行き渡らなくなってしまうことが大問題。さまざまな症状を引き起こす。
それが、ドライマウス。
ドライマウスの症状
ドライマウスになると、強烈な口の乾きや、常に口内炎になりやすかったり、強い口臭がしたり、虫歯が増えたり、味がわからなくなったり、様々な感染症にもかかりやすくなり、誤嚥しやすくなり、肺炎にもかかりやすくなる。
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唾液の量が戻る人と戻らない人の差は?
脳はストレスを感じると、血流が左に偏ったり、右に偏ったりする。
同時に心拍数を測定すると、右に偏るタイプの人は大きく増加。ストレスに非常に敏感になっていると考えられる。
脳にストレスがかかると、誰もが一時的に唾液が減り、口の中が乾燥するが、ストレスの長期化が原因で脳が「ストレス脳」に変化することがある。
すると、この口の乾燥自体もストレスに感じるようになり、元のストレスが無くなっても、だ液の量が戻らないと考えられるそう。
ドライマウスの最新治療
横断歩道の白いところだけを歩き、オカリナを吹くことで、劇的に改善した例が紹介。
横断歩道の白線に意識を集中することによって、痛みや症状への意識が外れる。
毎日病気のことばかり考えていると、不安が負の連鎖で増大する。
他のことを考えることによって、それまでずっと悩んでいたことが軽くなる。
オカリナでなくても、自分が没頭できるものなら、窓ガラスを吹くとか、お風呂のタイルの目地を掃除するとか、そこに集中している間に忘れる。
忘れると、乾燥の記憶や不快感が遠のいていく。
ドライマウスセルフチェック
・口の乾きが3か月以上続く
・口内炎がよくできる
・口臭が常に気になる
・虫歯になりやすい
・目と鼻の中が乾燥する
ドライマウス研究会
増えるドライマウスの患者に対応するために作られたのが、ドライマウス研究会。
治療に詳しい全国の歯科や口腔外科、耳鼻咽喉科が紹介されている。
口の乾き対処法
唾液腺を刺激するリップトレーニング
唾液腺を刺激して唾液を出す口の体操「リップトレーニング」のやりかたは
(1)前歯が見えるように、口の筋肉に力を入れ「イー」と言う
(2)唇を前に突き出し、口の筋肉を緩めて「ウー」と言う
口が乾いてきたなと感じたら、「イーウー」を10回程度繰り返す。
筋肉の緊張と弛緩を繰り返す動作は、自律神経のバランスを整えてストレスを軽減させる効果も期待できる。
昆布で作った特製ドリンク
1日10回ほど、乾きを感じたときに、昆布で作った特製ドリンクを口のなかに行きわたらせる。
その作りかたは
(1)細かく刻んだ昆布30gを、500mlの水に1日つけておく
これを冷蔵庫で保存し、2日以内に使い切る。
昆布のうま味成分には、脳をリラックスさせる物質をつくる働きがある。
さらに、唾液の分泌を促す効果は酸味に匹敵し、その効果は20分以上たっても高いまま持続する。
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