7月4日の「あさイチ」は、女性の新型栄養失調について。
一見健康に見える女性の間で、ちょっとした食生活の偏りが原因で必須栄養素が不足し、新型栄養失調に陥ってしまうケースが起きている。
新型栄養失調を放っておくと、骨粗しょう症といった骨の異常、慢性疲労・めまいといった体調不良や妊娠にも影響を与えかねない。
女性に不足しがちな栄養素を簡単に補うワザなどが紹介された。
新型栄養失調とかつての栄養失調のちがい
新型栄養失調の名づけ親でもある栄養学の専門家・熊谷修さんによると、第二次大戦後の食料の需給が悪くて食べたいが食べられなかったのが、かつての栄養失調。
新型栄養失調は、病気をあまりにも気にしすぎて、食べることがむしろ病気の原因になってしまうのではないかという考えが食生活をゆがめさせることで、カルシウムや亜鉛・鉄といった非常に重要なミネラルの不足を招き、深刻な健康の問題を引き起こす。
栄養バランスが悪かったり、そもそもの食事量が少なかったりすると、新型栄養失調の危険性が増す。
カルシウム不足の改善策
予防医療コンサルタントの細川モモさんによると、カルシウムを手軽に摂取する方法を教えてくれた。
カルシウム不足にスキムミルク
カルシウム不足にはスキムミルク(脱脂粉乳)がおすすめという。
スキムミルクは、牛乳と比べて脂肪分が少なく、たんぱく質とカルシウムが豊富に含まれている。
スキムミルクをカレーやスムージー、卵焼きなどに入れることで、手軽にカルシウムを摂ることができる。
今のスキムミルクは改良が進んで、クセもなくなってきている。
コーヒーのミルクのかわりにスキムミルクを入れてもよい。
絹ごし豆腐よりも、木綿豆腐や高野豆腐を
みそ汁などに入れる豆腐が、絹ごし豆腐の人は木綿豆腐に変えるだけで、カルシウムが2倍になる。高野豆腐にすると3~4倍になる。
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鉄不足で食欲もわかず食べるのもしんどく
鉄が不足すると、食欲を感じにくくなることがある。
食べること自体にモチベーションが下がってしまう。
また、鉄不足により消化器官が委縮し、肉や魚をごっくんと飲み込みにくくなる。
鉄不足で、食欲もわかず、食べるのもしんどく、疲れてしまって食べなくても大丈夫というふうに、さらなる栄養失調になってしまう。
貧血は鉄さえ摂っていれば良いのではない
貧血というと鉄分というイメージあるが、たんぱく質がしっかり摂れていないと一日のエネルギー量がしっかり摂れない。
そういうのが土台にあって、貧血が深刻化する。
鉄さえ摂っていれば良いのではなく、運動なども含めて生活全体を見直す必要がある。
鉄分とたんぱく質が豊富な食品
赤身の肉や魚は、鉄だけでなくたんぱく質も豊富。
しじみやあさりなどの貝類やチーズなどの乳製品も。
塊肉を食べない人は、牛そぼろや豚そぼろや鮭フレークを食べる。
炭水化物に偏った食生活から体が糖化
パンやラーメン・パスタといった炭水化物に偏った食生活が、慢性的な鉄と亜鉛不足と合わさり体が糖化してしまう。
インスリンは亜鉛なしでは機能しない
通常血糖値が上がると、亜鉛の力を借りてインスリンが働き血糖値を下げるが、亜鉛が不足するとインスリンの働きが落ち血糖値がうまく下がらなくなってしまう。
糖とたんぱく質は血糖値が高い状態が続くと結びつき、AGEという物質に変化し、さまざまな臓器に取り込まれる。
卵巣もAGEによって糖化し、妊娠しにくくなる。
亜鉛を豊富に含む食品
亜鉛を多く含むのは、カキや牛肉だが、値段が高い。
毎日コンスタントに摂れる食材としては、納豆、カシューナッツ、チーズ。
熊谷さんによると、もともと電解質は吸収率が悪いので、サプリだけでは体に取り込まれない。
食事から、たんぱく質やいろんなビタミンとともに摂るのが重要だという。
栄養バランス改善ワザ
管理栄養士の小山浩子さんによると、栄養バランス改善のポイントは色。
野菜や果物だと、赤・緑・黄色・白・黒の5つの色のものを揃える。
たんぱく質も、赤の肉類、青の魚介類、黄色の卵、白の乳製品、茶色の豆製品も冷蔵庫に揃える。
これらを3つずつ揃えるのが、理想という。
トッピング食材の活用
カットわかめ、焼き海苔、ツナ缶、ミックスビーンズ、ごま、かつお節、ちりめんじゃこ、さくらえび、高野豆腐、切干大根、プルーン、ナッツなどを、上手にトッピングすることで、新型栄養失調を予防することができる。
・カルシウム豊富な小松菜に、ごま油でいったさくらえびをトッピング
1日に必要なカルシウムの36%を摂れる
・小松菜にしらすをトッピング
ビタミンDの1日の必要量を4割以上摂れる。
発酵食品をつかったトッピング
・納豆+きゅうり+トマト+しそを冷奴にトッピング
・ヨーグルト+スキムミルク
・ヨーグルト+ココア
・ヨーグルト+グラノーラ
しっかり噛んで食べる
栄養素をしっかり吸収できるかどうかの大きな分かれ目が、しっかり噛んで食べるかどうか。
医学博士の中村丁次さんによると、食べているとその情報が大脳に行って、大脳から消化管に伝わって消化の準備がされる。
消化管ホルモンが出て、消化液も出てくる。
そして、食べて食道を通って胃に着いたときに、しっかり消化する。
大きく切って固めに仕上げる
噛む回数を自然と増やす簡単な方法は、食材を大きく切って固めに仕上げること。
これだけで消化・吸収をアップさせることができる。
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