NHKスペシャル 人体 神秘の巨大ネットワークの第3回は「骨が出す!最高の若返り物質」と題して、骨が脳に向けて発するメッセージ物質などが紹介。
単に体を支えるためのものだと考えられてきた骨だが、骨は若さを司る大切な臓器。
ネズミによる研究ではメッセージ物質によって全身の若さをコントロールするという、骨の役割が次々と明らかになってきている。
骨が記憶力をコントロール
オステオカルシンというメッセージ物質は、大きさは10万分の1にも満たないが、私たちの記憶力を司る重要な働きをするという。
記憶力をアップせよというメッセージが、骨から血管を通って脳の海馬に達し、海馬の神経細胞がオステオカルシンを受けとると脳が記憶しようと働くという。
このオステオカルシンは、筋肉に行くと筋肉のエネルギーの使いかたを効率よくする働きし、精巣に行くとテストステロンという男性ホルモンを増やす働きをする。オステオカルシンがないと、精子の数が半分ぐらいに減ってしまうという研究もあるそう。
免疫力をアップ
免疫細胞には、骨の出すメッセージ物質・オステオポンチンが関係しているという。
オステオポンチンには、いわば免疫力をアップせよというメッセージがあり、これが免疫細胞のもとになる細胞に届くと、生まれてくる免疫細胞の量が増え体全体の免疫力を根本からアップさせている。
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骨を強くするにはカルシウムだけではダメ
骨を強くするにはカルシウムを十分摂るのは非常に大切だが、それだけではダメだというこうこともわかってきている。
骨自身が、自分の強さを決めるメッセージ物質・スクレロスチンを出している。
スクレロスチンが発するのは「骨を作るのをやめよう」というメッセージで、体内の骨の量をコントロールしている。
このメッセージ物質をコントロールできれば、骨を健康にして全身を若く保つことができると、期待が高まっている。
骨は若さの門番
骨は衝撃を感知すると、骨の量を増やす。
骨量が少ない人に1日30分のジャンプ運動を週3回1年間続けて骨に衝撃を与え続けてもらった実験では、19人中18人の骨量が上昇。
スクレロスチンの量が、実際に減少していたという。
骨に衝撃が伝わると骨細胞がそれを感知し、「骨を作るのをやめよう」というメッセージを減らし、「骨を作って」というメッセージを発して骨芽細胞の数を増やす。
骨は私たちが活動的に動いている限り、骨芽細胞からメッセージ物質をたくさん出して全身を若く保ってくれる。ところが、活動を止めると、骨はもはや若さを保つ必要はないと判断しメッセージを止めてしまう。
一日の大半を座って生活していると、知らないうちに若さを保つメッセージが途絶えてしまうかもしれない。
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