11月18日の「ジョブチューン」で、寒い冬に多くの人が悩む『冷え性』や『乾燥肌』、命の危険に関わる『ヒートショック』など、冬の病気を防いでくれる正しい入浴法をお風呂のスペシャリスト・早坂信哉が教えてくれた。
毎日全身浴が良い
健康になる入浴の大前提は、毎日全身浴をすること。
湯船に浸かると全身の血液の流れが良くなり、このことによって細胞が活性化したり、筋肉がほぐれ柔らかくなる。
結果として、事故やケガなどを防ぐことができる。
65歳以上で毎日入浴している人は、そうでない毎日入浴していない人やシャワーだけという人に比べて、5年後に要介護になるリスクが1.85倍低いという。
ヒートショックを予防する入浴法
(1)脱衣所・浴室を暖かくする
(2)湯船に入る前にかけ湯をする・・・シャワーや湯船のお湯を心臓から遠い足元からかけて、徐々に体をお湯の温度に慣らしていく。
(3)湯船から立ち上がるときはゆっくり・・・お風呂に入っているときは水圧がかかっているが、この状態からパッと立ち上がると水圧が無くなって血管が開いている状態なので、血液が頭に上がって行かなくなり、立ちくらみなどを起こしやすい。
冷え性改善に最も効果的な入浴法
ポイントはお湯の温度を40℃にすること。
42℃だと、熱すぎるとして体が危険を感じ、体がどんどん体温を下げようとしてしまう。
40℃のお湯に10分入浴するのがベスト。5分では体が温まらず、10分を超えると熱中症になる。
熱いお湯が苦手な人は、38℃で少し長めに入ってもよい。
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ゆずを入れると保湿効果アップ
ゆずの皮に油分が入っていて、この油分が肌をカバーして、皮膚から水が蒸発するのを防いでくれる。
これにより、入浴後の保温効果がアップする。
さらに、皮に多く含まれるリモネンという成分が、血流を良くして体温を上げてくれる。
ゆず以外でも、みかんやレモンなどかんきつ類なら同じ効果が得られるそう。
乾燥肌予防に効果的な入浴時間は10分
乾燥肌予防の入浴法としては、入浴時間がポイント。
もっとも効果的なのは10分。
5分だとやはり体が温まらず、血行もよくならない。
20分以上になると、保湿成分のセラミドや皮脂が取りすぎになる。
熱すぎると肌に刺激が強くなるので、温度は40℃以下で十分。
半身浴は美容目的ではない
モデルなどがよく行っている半身浴は、高齢者や心臓などに持病を持つ人が心臓に負担をかけないための入浴法。
半身浴など汗をかくまで体温が上がるのに時間がかかり長風呂になってしまうので、その間に保湿成分が流れ出てしまって乾燥肌になりやすくなってしまう。
温泉などの美肌の湯も10分程度で十分。夕方、夜、朝などに分けて入るならば問題ない。肌を擦ってしまうと必要な皮脂をはがし取ってしまうおそれがある。
一番風呂にはレモン果汁
乾燥肌の人は一番風呂に入らない方が良い。
一番風呂は、消毒用の塩素が肌にダメージを与えてしまう。
二番風呂であれば、人の皮脂がお風呂に溶け込み、塩素の影響を弱めてくれる。
レモン果汁を加えると、一番風呂でも問題ない。
小さじ1杯程度のレモン果汁を入れか、入浴剤を入れると、それらに含まれる酸性成分が塩素とくっつき塩素の力を弱めてくれる。
乾燥肌対策に手で洗い・タオルは抑えるように拭く
きちんと湯船に浸かっていれば、手の届かない背中は洗わなくてよい。
洗うのは、皮脂の多い体の中心部分や、においの気になる脇や股とかを洗えばよい。
タオルは抑えるように優しく拭く。
ゴシゴシ拭くと皮膚の表面をはがしてしまう。
入浴後10分以内に保湿する。お風呂から上がって10分のうちにどんどん乾燥してしまうので、保湿クリームなどをすぐに塗る。
裏技入浴法
デートの前などに急いで肌にツヤを出す方法として、42℃での10分間の入浴が紹介。
42℃以上のお風呂に10分間入ると、熱さによるショックから体を守ろうとしてヒートショックプロテインというタンパク質が分泌される。
ヒートショックプロテインは傷んだ細胞を修復してくれるので、肌が活性化され若返るという。
やりすぎると体が慣れてしまって、ヒートショックプロテインは出なくなるので、週に2回とかいざというときに取っておく。
疲労回復には炭酸入浴剤を入れる
疲労回復には、血行を促進することがポイント。
炭酸を発生させる入浴剤を入れると、風呂上りの血流がおよそ2倍にアップするという。
炭酸入りの風呂に入ると二酸化炭素が皮膚から吸収され、毛細血管に入っていく。
すると、体が酸素不足と勘違いしてより多くの酸素を運ぼうと血管を広げ、そのため血行が良くなる。
入浴剤がすべて溶けてから、お風呂に入る。
疲労回復に最も効果的な入浴法
(1)炭酸入りの入浴剤を溶かした40度のお湯に3分間つかる
(2)風呂から出て、冷たすぎない水に手を30秒つける
(3)その後、足を30秒つける
(4)もう一度40℃のお湯に3分間つかる
(5)また、手足に水に30秒ずつつける
(6)最後にもう一度3分間入浴する
手足に水をかけることで血管を収縮させることになり、繰り返し行うことで血行が良くなる。
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