においに敏感といわれる日本人だが、その傾向がますます強まっている。
体臭の対策につかうスプレーや柔軟剤などの化学物質で、体調が悪くなる人もいる。
10月25日の「クローズアップ現代+」で、においに関する深刻な悩みにどう向き合えばよいのか?
体臭ケアを義務づける会社も
強いにおいに反応すると気絶して知らせてくれる犬型ロボットや、汗のにおいを数値化してケアが必要か教えてくれる装置もある。
また、従業員のにおいに対する客からのクレームで、体臭ケアを義務付けるようになった企業もある。
汗をかいたらこまめにシートで拭き、ランチやおやつのあとには必ず歯を磨くという。
悩む人の7割の体臭はそれほど強くない
体臭の悩みや相談を受けるクリニックでは、患者は増え続けているが、その患者の7割はそれほど体臭は強くないとのこと。
においは見えないものなので不安になり、それで悩んでくる人も多いが、スメルハラスメントで周囲を迷惑にしている害よりも、自分がにおっているんだと悩んでそれで消極的になって人間関係を築けない人たちが増える害のほうが大きいのではないかという。
体臭の強い人でも多くの人が、治療によって改善できるのだそう。
体臭に敏感なのはなぜ?
東北大学の坂井信之教授によると、昔は臭かったが、今は消臭が進んでにおいのする家庭がほとんどなくなった。
外に出て、初めて汗臭いにおいに出会うと臭いというような反応をしてしまう。
加齢臭も、嗅いだことのない人はなんのにおいか分からないまま臭いといか言わないが、おばあちゃんといっしょに住んでいた経験があるような人はなつかしいとポジティブに受け取る場合も多い。
においは心理に影響?
男女関係でも、好きになる条件は見た目に対して、嫌いになる条件は圧倒的ににおい。においがダメだと嫌いになる。
においそのものでは判断がむずかしいので、見た目やそれを出している人や物のイメージがそこにむすびついての判断になる。
誰かからにおいがすると、そのにおいそのものというよりは、その人との人間関係が反映されてそこに出てくる。
におい対策が新たな火種に?
消臭剤や柔軟剤のにおいで体調が悪くなったりして、化学物質過敏症になる人もいる。
この夏初めて設置された「香害110番」にも、重い症状を訴える電話が多数寄せられたという。
化学物質過敏症は一般の人だとまったく気にならないような空気中の化学物質にも非常に感受性が高く反応が出てしまい、めまいや頭痛など出現し、深刻な症状が出る人もいる。
においとどう向き合うか?
坂部貢教授によると、自分にとって良いにおいが必ずしも他人にとって良いにおいとは限らない。
においに対して感受性が高い人もいるということを配慮していかなければならない。
坂井先生によると、においのポジティブ・ネガティブというのは、そのにおいを取り巻く人間関係やいろんなものがファクターとしてあるので、においに寛容になるには、人間関係にも寛容になる必要があるという。
5段階で教えてくれるタニタの口臭チェッカーにとてもお世話になっているが、番組冒頭で紹介されたような体臭を数値化してくれる機器がもっと普及してくれるといいな。
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