8月22日の「この差って何ですか」で、誤嚥性肺炎になりやすい人となりにくい人の差が紹介。
毎年多くの人が命を落としてしまう肺炎のなかでも、特に問題になっているというのが誤嚥性肺炎。
食べ物を口にすると正常であれば食道に流れていくが、これは喉頭蓋というフタが閉じて気道に流れるのを防いでくれるから。
しかし、フタが正常に動かなくなると、肺に食べ物が入ってしまうことがある。
これを誤嚥というが、その結果、食べ物といっしょに肺に細菌が入って、誤嚥性肺炎になる可能性が高まる。
女性よりも男性がなりやすい
誤嚥性肺炎には、女性より男性のほうが圧倒的になりやすい。
西山耳鼻咽喉科医院の西山耕一郎先生によると、女性はよくしゃべるが、男性はしゃべらない。
しゃべるとのどの筋肉が鍛えられるので、飲み込む筋肉も鍛えられ誤嚥しにくくなる。
のどの筋肉には、のどのフタである喉頭蓋を動かす役割があるので、のどの筋肉が衰えるとフタが締まりにくくなり誤嚥しやすくなってしまう。
男女にかかわらず、誤嚥性肺炎になりやすいかなににくいかは、のどの筋肉を鍛えているかどうかによるという。
最初の一口目が大事
食事のときに大事なのは、最初の一口目。
ならし運転をきちんとしないと、むせやすい。
みそ汁とひきわり納豆では、みそ汁が誤嚥しやすい。
最初の一口目は、のどの筋肉が飲み込むことに慣れていないために、フタがしまるタイミングが遅くなってしまう。
みそ汁などの液体はサーッと流れてしまうので、誤嚥しやすい。
ねばねばしたひきわり納豆は、ゆっくり落ちてくるので、多少フタがしまるのが遅れても誤嚥しづらい。
ねばとろ系の、とろろご飯や卵かけご飯、あんかけがおすすめ。
逆に麺類は、すすったあとに飲み込むので危ない。
むせてしまった場合は?
誤嚥してむせてしまった場合も、水を飲むのは良くない。
むせた場合は、上半身を倒して気管が水平になるようにして咳をする。
そうすると、誤嚥してしまったものを出しやすくなる。
立ったまま咳をしても、誤嚥したものは重力に負けてなかなか気管から出てこない。
しかし、前かがみになって咳をすれば、誤嚥したものを徐々に気道の外に出すことができる。
のどの鍛え方
のどの鍛え方として、特に有効なのはカラオケ。
キーの高い曲がおすすめ。高音の曲を歌うとのどがより引き締まり鍛えられるという。
嚥下おでこ体操
カラオケにいけない人には、嚥下おでこ体操。
そのやりかたは
(1)手のひらの下の部分をおでこにあてる
(2)その状態で、おへそを覗き込むように頭を下に向ける
この時、手のひらは、下がった頭を押し上げるように力を入れ、のどぼとけあたりに力が入るくらいの力で、頭と手のひらが押し合った状態にする。
この状態で5秒間キープ。
これを、1日5~10回行う。
【関連記事】
・ガッテン!肺炎予防に肺炎球菌ワクチン、誤嚥性肺炎予防は枕をちょっと高く
・たけしの家庭の医学 飲み込み力アップ物質サブスタンスPを増やすカプサイシン・黒コショウ
・サタプラ 飲み込む舌の力をパタカラで鍛える
コメント