さまざまな食材の栄養素は、調理方法によって栄養の取れ方が全然違うという。
6月13日の「この差って何ですか」で、長寿になるための栄養がよくとれる調理方法が紹介された。
解説してくれたのは、白澤抗加齢医学研究所の白澤卓二先生。
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たまねぎの辛みを取るには空気に触れさせる
たまねぎの硫化アリルは血液をサラサラにするのに効果があるが、辛味を取るために水につけると流れ出してしまう。
水につけずに約15分空気に触れさせることで、辛味も取れて硫化アリルもそのまま残る。
小松菜のおひたしは冷凍小松菜を使う
小松菜にはビタミンCがたっぷり含まれているが、ビタミンCは熱に弱いのでゆでると多くが失われてしまう。
しかし、最近はやっている冷凍して自然解凍するだけの小松菜であれば熱を加えないのでビタミンCは残る。
冷凍のおひたしのほうが、ゆでたおひたしの1.6倍のビタミンCが含まれているという。
ニンジンは茹でて食べる
ニンジンのなかの代表的な栄養素はベータカロテン。
粘膜を強化して免疫力をアップし夏風邪の予防になるだけでなく、ドライアイにも有効だという。
そのベータカロテンをより多く摂るには、生で食べるよりも茹でて食べる。
ニンジンのベータカロテンは細胞壁や食物繊維に囲まれているので、生のままで食べても吸収されにくい。
茹でることでニンジンの細胞が破壊されると、ベータカロテンが吸収されやすくなる。
ニンジンは冷凍保存する
ベータカロテンはデリケートな栄養素なので、保存方法に気を付けないと失われてしまう。
ほとんど減少しない保存法は、冷凍保存。
冷蔵庫で保存すると3日で半分になってしまうが、使いやすい大きさに切って冷凍庫で保存するのが良い。
トマトのリコピンは油と一緒に
トマトの代表的な栄養素はリコピン。
老化の原因ともいえる細胞内の活性酸素を取り除いてくれ、肌の黒ずみの原因であるメラニンの生成を抑える美肌効果もある。
より多くのリコピンをとるには、ドレッシングをかける。
リコピンはもともと吸収されにくいが、油に溶ける性質があるので、ドレッシングをかけて食べるとよい。
中でもオリーブオイルが断トツに吸収率がよいので、イタリアンドレッシングがおすすめ。
また、加熱することにより、リコピンはより吸収されやすい形になる。
トマトのコンソメ卵とじ
1分でつくれてリコピンがたくさん摂れるトマトレシピが紹介された。
材料は、トマト1個、卵2個、野菜コンソメ(顆粒)こさじ2、青ネギ適量、オリーブオイル大さじ1。
作り方は
(1)中火にしたフライパンにオリーブオイルを入れる
(2)食べやすく切ったトマトを入れ、コンソメを加える
(3)トマトをオリーブオイルとよく絡めて炒める
(4)表面が柔らかくなったら、溶いた卵を投入しおよそ7秒待つ
(5)卵が半熟になってきたら、トマトと卵を満遍なく絡めていく
(6)最後に刻んだ青ネギを入れて軽くまぜたら完成
ワカメのみそ汁にはシメジを入れる
続いてカルシウム豊富な食材としてワカメが紹介。
100g当たりのカルシウムの含有量は、牛乳の約7倍。
カルシウムがより多く摂れてより血液を健康に保つのは、ワカメのみそ汁にシメジを入れる。
腸管からカルシウムが吸収されるのに、絶対必要なのがビタミンD。
シメジにはビタミンDが豊富に含まれている。
細かく裂いたシメジをベランダなどで3日ほど日にあてて干すと、ビタミンDが倍以上に増える。
ネギの硫化アリルはカルシウムの吸収を阻害してしまうが熱に弱いので、最後に生のネギを加えるのではなく、出しをとるときにいっしょに煮立たせる。
ワカメとシメジのゴマ油炒め
カルシウムたっぷり1分ワカメレシピとして、ワカメとシメジのゴマ油炒めが紹介。
材料は、ワカメ15g、シメジ1/2株、たまねぎ1/2個、ごま油大さじ2、3倍濃縮の昆布つゆ小さじ1
その作りかたは
(1)フライパンを中火にかけ、ごま油をひく
(2)薄く切ったタマネギ、細かく裂いたシメジと3センチ幅に切ったワカメを入れる
(3)全体に火が通るように炒めていく
(4)昆布つゆで味付けする
(5)あとは、昆布つゆが全体になじむように炒める
(6)ほんのりシメジとたまねぎに焼き目がついたら完成
アジの効果的な食べ方は揚げる
アジにはカルシウムやタンパク質が豊富に含まれているが、それ以外にも肌をすべすべに保つビタミンB2、疲労回復に効果があり夏バテ防止にきくとされるビタミンB1、快眠に効果的なビタミンB6など、ビタミンB群がたっぷり入っている。
ビタミンB群がより多くとれる食べ方は、焼くよりも揚げる。
アジの中に含まれているビタミンBは、水に溶ける水溶性のビタミン。
焼いてしまうと、体内にある水といっしょに外に出てしまう。
衣があるとビタミンB群の流出を防いでくれる。
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