NHK きょうの健康「こうして骨を守る 骨粗しょう症の予防と治療」の1日目は、『忍び寄る骨粗しょう症』
骨粗しょう症はどうして起こるのか?
解説してくれたのは、新潟大学大学院の遠藤直人教授。
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骨の強さは「骨密度」+「骨質」
日本には骨粗しょう症患者が約1280万人いると推計されていて、そのうち4分の3が女性。
骨の強さには、骨の量の目安である骨密度と骨質が関係していて、骨密度で70%、骨質で30%が決まる。
骨密度が低下したり、骨質が劣化したりすると、骨粗しょう症になる。
骨密度の低下とは
骨は破骨細胞と骨芽細胞の作用によって、常に新陳代謝を繰り返している。
破骨細胞は古い骨を吸収して小さな穴をあける。すると、その穴に骨芽細胞がやってきて新しい骨を作っていく。
健康な成人の場合は、破骨細胞と骨芽細胞がバランスよく新陳代謝をしていて、古い骨は新しい骨に置き換えられて丈夫になる。
しかし、骨粗しょう症の人の場合はバランスが崩れ、破骨細胞の働きが骨芽細胞の働きを上回り、その結果骨の量が減って骨がスカスカの状態になってしまう。
骨質
骨質の一つに、骨の材料であるコラーゲンがある。
健康な骨を建物の構造にたとえると、コンクリートに相当するのがカルシウムなどのミネラル類で、鉄筋に相当する重要なものの一つがタンパク質のコラーゲン。
コラーゲンがきちんとつながることで、鉄筋部分は強くしなやかになり、コンクリート部分がしっかり支えられて丈夫な建物になる。
丈夫な骨を作るためには、カルシウムだけではなくコラーゲンがしっかりしていることが大切。
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骨粗しょう症の原因
・加齢・・・高齢になると、おなかでのカルシウムやビタミンDといった骨に必要な栄養素の吸収が悪くなる。
・閉経・・・女性ホルモンは、骨の量・骨密度を保つのに役立っているが、骨密度は閉経後、急速に減ってくる。
・過度なダイエット・・・カルシウムやビタミンDなど、骨に必要な栄養素が十分にとれない。特に、骨が成長する10代でのダイエットは問題。10代の成長期に骨が十分に大きくなれないと、閉経後骨粗しょう症になりやすい。
・運動不足・・・運動は体に適度な負荷がかかるため、骨芽細胞の働きが活性化される。
・喫煙
・過度の飲酒
・糖尿病
・慢性腎臓病
・家族歴
背骨の骨折に気付く人は3分の1
新潟県佐渡市で行った骨折の調査によると、もっとも多いのは背骨の骨折。
背骨の骨折の場合、気づく人はだいたい3分の1。
3分の2の人は気がつかないうちに骨折している。
若いころに比べて身長が4cm以上低くなった場合は、背骨を骨折している可能性がある。
骨折連鎖
なんと骨折は連続して起こりやすく、骨折連鎖と呼ばれている。
背骨の骨折のあと、太ももの付け根の骨が折れたりする。
骨密度を測って自分の骨の状態をチェック
骨粗しょう症は、早く発見することが大切。
閉経後などの節目のときに、骨密度を測る検査をして自分の骨の状態をチェックする必要がある。
女性の場合は、閉経以降1年~数年に1回ぐらいで測る。
若い人でも、骨粗しょう症の家族歴がある人や過度のダイエットをした人、飲酒量の多い人などは、骨密度を測ってみる。
内臓の病気があったり、運動不足や生活習慣病の人は、男性でも測ってみるのがよいとのこと。
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