1月31日の「たけしの健康エンターテインメント みんなの家庭の医学」は、漢方SP。
そのなかで、漢方薬について千葉大学医学部附属病院・和漢診療科の並木隆雄先生が解説してくれた。
通常の薬と漢方薬の違い
通常の薬の成分は1種類なので、病にピンポイントで効くように作られている。
漢方薬は複数の生薬で構成されているので、複数の効能がある。
通常の薬と漢方薬の両方を併用することで、大きな効果が期待できる。
葛根湯の効能は?
葛根湯には7つの生薬が含まれている。
葛根が解熱の作用があるが、芍薬には筋肉弛緩作用がある。
ちょっと筋肉痛がするから葛根湯を飲もうというのもありだという。
漢方薬は300種類弱
厚生労働省が基準を定めている漢方薬は294種類。
名前に「丸」という漢字がつくのは、生薬を粉にしたものを固めたもの。
名前に「湯」がつくのは、煎じて液状で飲むもの。「散」は粉状のもの。
生薬は大きく3種類
漢方薬の原料となる生薬には、大きく分けて3種類ある。
(1)植物由来のもの
最も多いのは、植物由来のもの。
葛根湯の原料となる葛(くず)の根や、体を温める働きのある生姜(しょうきょう)など。
(2)動物由来のもの
竜骨のような動物の骨のほか、皮・内臓など動物由来のもの。
(3)鉱物
石膏ボードの材料となる石膏(せっこう)などの鉱物もある。
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漢方薬の理想的な飲み方は?
かつては、これらの生薬を特殊な道具で削り、決められた割合で調合したものを患者自らがお湯で煎じて飲むのが一般的だったが、今では生薬の成分を凝縮させたエキス製剤と呼ばれるものが一般的。
この漢方薬の効果を最も引き出せる飲み方は2つ。
(1)ぬるま湯で飲む
お湯のほうが吸収が良く、多くの場合効果的。
(2)空腹時に飲む
通常の薬は食後が多いが、漢方薬はおなかがすいているときに飲むほうがよい場合が多い。
漢方薬は自然由来の生薬なので、食べ物と影響しあい効果が下がる可能性がある。食べ物の影響を受けないよう、空腹時に飲むほうが良い。
一緒に飲んではいけない漢方薬も
身体を温める薬と冷やす薬を混ぜて飲むと、効き目はない。
漢方薬は体に優しい
通常の薬は、化学合成されて成分が濃縮された状態で作られているので、病気の原因にピンポイントで効いて良いが、効き目が強いので副作用が出るおそれもある。
漢方薬は自然由来の生薬が原料なので、ゆるやかでマイルドに効き、比較的身体に優しい。
しかし、漢方薬でも副作用の出る場合があるので、用法・用量や医師の指示通りに飲むことが大切。
漢方薬に即効性はない?
一般的に、漢方薬は即効性がないと受け止められているが、即効性のある漢方薬もいくつかある。
有名なのは、足のつり・こむら返りに効く芍薬甘草湯。
漢方薬は最低1か月飲み続ける
どこの薬局でも漢方薬は買えるが、漢方認定薬剤師という漢方の知識を持つと認められた薬剤師がいる。
漢方の知識が豊富なので、症状を詳しく聞いたうえで、その人の体質にあった漢方薬を出してくれる。
漢方薬は最低1か月は飲み続けて、効果を見ることが大切。
1か月飲んで少しでも症状が和らげば体質に合っている証拠なので、そのまま飲み続ける。
全く症状が変わらなければ体質に合っていない可能性があるので、専門医に相談するのがよいとのこと。
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