11月5日のNHK Eテレ「チョイス」は疲労について。
解説してくれるのは、関西福祉科学大学の倉恒弘彦教授。
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疲れは体からのアラーム
倉恒先生がまず大切というのは、疲れは悪者ではなく、体の異常を知らせてくれるアラーム信号であるということ。
激しい運動や長時間の作業をすると、細胞レベルではタンパク質に傷がついたり、遺伝子レベルで傷がついてくる。
そのままにしておくと、細胞が壊れて、より大きな病気になる可能性がある。
疲れは敵ではなく、自分のためにそうなっている。
疲れの原因となるストレス
疲れの原因となるストレスには、過労や過度な運動などの身体的なストレス、人間関係や仕事などの精神的なストレスのほか、紫外線や騒音など物理的なストレス、化学物質などの化学的なストレス、ウイルスや細菌などの生物学的なストレスがある。
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睡眠を取らないと疲労がたまる
疲労に関係しているのは脳の中の自律神経の中枢。ここから心臓の動きや呼吸、体温などを調整するための指令が出ている。
自律神経の中枢の細胞は、日中のストレスや運動などで発生する活性酸素によって傷ついていくが、この細胞の傷が疲れの原因。
傷が増えると疲労感を感じさせる疲労因子FFというタンパク質が増加し、このとき脳内では疲れたというアラームを出し体に休息を求める。
この細胞の傷を回復させるのが疲労回復因子FRと呼ばれるタンパク質。
疲労回復因子は睡眠中に最も増加するが、睡眠が十分にとれない状態では疲労回復因子が増加せず、細胞の傷は修復されない。
これでは疲れたというアラームは鳴りっぱなしで、疲れは取れない。
規則正しい生活と、睡眠時間の確保が大切。
疲労が続くと、脳卒中や心筋梗塞、狭心症、メンタルヘルス障害などを引き起こす可能性がある。
健康な疲労は2~3日のきゅようで回復するが、1か月以上疲労が続く場合は医療機関を受診したほうがよいと倉恒先生。
睡眠以外の疲労解消法
・お風呂・・・体を温めることで血液の流れが良くなる。ぬるめの温度で10~15分程度入るのがおすすめ。
・クエン酸・・・活動するためのエネルギーになる。
・赤身の魚・・・マグロやカツオなどに、イミダゾールジペプチドが含まれている。
・鶏むね肉・・・イミダゾールジペプチドという疲労回復物質が多く含まれている。
・森林浴・・・森のなかの緑の香りによるリラックス効果で自律神経が休まる。
よく寝ても疲れがとれない場合は、甲状腺機能低下症、貧血、肝炎、糖尿病などの病気の可能性もある。
かかりつけの医者でわからない場合は、総合外来のある病院を紹介してもらうようにとのこと。
仕事の場合でも、仕事だからとあきらめずに、まずはしっかり休んで睡眠をとるのが重要だ。
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