NHK Eテレ きょうの健康「歯と口の健康を保つ」の4日目は、口臭の治療。
口臭がもっとも強いのは、朝起きた時。寝ている間に口の中の細菌が増えてしまうから。
食事をとることで汚れが落ち、さらに唾液がでることにより細菌などの汚れが洗い流される。歯を磨くことによっても、さらに細菌が少なくなり口臭は減る。
中高年では唾液が減るので、なかなか口臭が下がらず、また、あるタイプの人は、歯を磨くと口臭が強くなってしまうことも。
今回お話をしてくれるのは、鶴見大学歯学部付属病院准教授の中川洋一先生。
中川先生によると、口臭を気にしすぎる必要はないが、口臭外来を受診する人の6割以上に実際に口臭があるので、口臭が心配になったときには、歯科医に行って調べてもらうと良い。
口臭の検査
口臭の検査方法には、ガスクロマトグラフィーといった機械を使う方法と、医師が実際にニオイを嗅ぐ官能試験という方法がある。
ガスクロマトグラフィーでは口臭の原因となる3つの成分を分析する。
・硫化水素・・・口の中の細菌が出す臭いの成分。舌の汚れや歯の汚れが多いとこの成分が多くなる。
・メチルメルカプタン・・・歯周病菌が出す臭いの成分。歯周病が悪化しているとこの成分が多くなる。
・ジメチルサルファイド・・・内臓疾患などに関連した成分。
これら3つの成分のうち一つでも基準値を超えると口臭があることになるが、本当に臭うかどうかは、医師が直接臭いを嗅いで確認する。
このことによって、臭いがないのにあると思っている人にも安心感を与えることができる。
口臭の原因が体の場合
・消化不良で食べたものが停滞したり、発酵したりしたときのときは、「腐ったような臭い」になる。
・肝機能が低下したときは、「アンモニア臭」のような臭いになる。
・糖尿病でケトン体が増えると、「甘酸っぱい臭い(アセトン臭)」になる。
これらは、歯科医では対処できないので内科を受診する。
口臭の原因が口の場合
・舌の汚れの舌苔(ぜったい)
・歯の汚れプラーク
・虫歯
・歯周病
これら4つが口が原因となる口臭で、特に注目したいのが舌苔。
舌苔は、舌の上についている汚れのようなもので、実は細菌の塊。
[ads]
舌苔はどうしてできるのか?
舌の表面は舌乳頭という組織が集まり、小さいでこぼこになっている。
その小さいでこぼこに、口や舌の粘膜からはがれた古い細胞や食べ物のかすが溜まるようになる。
こうした古い細胞や食べ物のかすにむかって細菌が集まってきて、それらを栄養にして増えていくが、古い細胞と食べ物を分解するときに臭いを出してしまう。
さらに、細菌はねばねばとした物質を出して、舌からどんどん取れにくくなってしまう。
これが舌苔の正体。
上の歯を歯ブラシでみがくときに、歯ブラシの柄で舌の表面をこすって舌苔の臭い物質を巻き上げてしまう場合があるので、歯みがきをすることによって逆に口臭が強くなってしまうこともある。
舌苔は朝食後にガーゼで拭きとる
舌苔を除去する中川先生のおすすめの方法は、ガーゼで拭きとること。
(1)長い方が幅15センチ(ほそいほうは2~3センチ)くらいのガーゼを水にぬらして軽く絞る。
(2)ガーゼをもう一度伸ばして、利き手の人差し指に巻きつける。
(3)舌の上を前後方向にゆっくり動かす
(4)次に左右方向にゆっくり動かす
ガーゼは白いので、どれだけ舌苔が取れたかも見えやすい。
舌の色がピンク色になるまで行うのが良いが、擦り過ぎて舌を傷つけないようにも注意が必要。
1日1回、朝食後に行うのがおすすめとのこと。
洗口液は補助的に
洗口液には、除菌作用を有するものや、臭い物質を吸着する金属イオンが入っているものなどがある。
舌苔をガーゼで除去したあとに、補助的に使用するのはよいが、洗口液だけでは効果が不十分な場合があるので注意が必要。
ドライマウス対策は?
ドライマウスになり、口の中が乾燥しやすくなると、唾液が少なくなり細菌が増え、細菌が増えると口臭が増える傾向がある。
では、どうすればよいか?
・普段から食事のときに、物をしっかり噛むことを意識する
・ガムをかむ
・鼻呼吸をする
歯ブラシをつかって舌を磨いたりしていたけど、口臭的には逆効果だったみたい。
舌苔を毎日取るというのも、ちょっと驚きだが、すぐに実践できるので、今からでもコンビニに行ってガーゼを買ってこよう!
コメント